チャイルドシートはいつから前向きにする?切り替え時期を確認するには?

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2023/08/10

赤ちゃんや幼児を車に乗せるなら、チャイルドシートの使い方は非常に重要です。

新生児のうちは後ろ向きに、大きくなったら前向きにすることは知っていても、いつ切り替えればいいか分からないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、赤ちゃんが後ろ向きから前向きのチャイルドシートに切り替える時期や理由について、詳しく解説していきます。正しく理解して、安全なドライブを楽しんでください。

チャイルドシートはいつから前向きにする?

前向きにする時期は、使用しているチャイルドシートによって変わります。商品ごとに身長や体重、目安とする月齢が取扱説明書に記載されています。

チャイルドシートには安全基準が定められています。2023年7月現在は旧基準の「R44」と新基準の「R129」という2種類が並行している状態ですが、2023年9月からR129に完全移行します。なお、完全移行後もR44のチャイルドシートは使用可能です。

前向きにする時期の目安に関しても安全基準に記載されているので、確認しておきましょう。

R44基準R129基準
後ろ向き装着期間生後12ヵ月頃まで生後15ヵ月未満まで
シートの基準体重に合わせる
※体重9kg未満まで後ろ向き
身長に合わせる
※身長76cm未満まで後ろ向き
衝突試験前後からの衝突のみに対応前後左右の衝突に対応

後ろ向き装着期間はR44基準では生後12ヵ月頃までと定められていましたが、R129基準では生後15ヵ月未満かつ身長76cm未満の場合と定められています。後ろ向きの期間が長くなったことで、赤ちゃんの安全性が高まりました。

そもそも新生児のチャイルドシートはなぜ後ろ向き?

チャイルドシートを後ろ向きにする理由は、新生児の体の特徴にあります。

生まれたばかりの赤ちゃんは首の筋力が未発達で、頭が重いです。前方からの衝撃を受けると頭が前に勢いよく倒れてしまい、非常に危険です。座席を後ろ向きにすることで、広めの背中で衝撃を受けるので衝撃が分散され、首や頭部の負担が軽減されます。

チャイルドシートの前向きと後ろ向きではどのような違いがある?

チャイルドシートを前向き・後ろ向きにすることで、安全性や世話のしやすさなどの違いが出てきます。それぞれの特性を覚えておきましょう。

安全面

安全性は、後ろ向きのチャイルドシートのほうが高いです。

前述したように、頭部が大きくて重い赤ちゃんは、首の筋力が発達していません。前向きのチャイルドシートでは衝突時に頭が前に動くことで、頸部を損傷する可能性があります。頸椎への致命傷につながることが多く、たいへん危険です。

チャイルドシートを後ろ向きにすると、万が一衝突した際に背中で衝撃を受けることになります。体の一番広い部分である背中で受けることで、赤ちゃんが受けた衝撃を広範囲に分散してくれます。

世話のしやすさ

赤ちゃんの世話は、前向きのほうが行いやすいでしょう。子供が前を向いているので運転者からの視認性がよく、よだれや涙が出ていたらすぐに対応できます。

チャイルドシートを後ろ向きにしていると、赤ちゃんがどんな表情をしているのか、寝ているのか起きているのかも分かりません。同乗者がいないときは、心細く感じることがあるでしょう。赤ちゃんの様子が分からなくて不安なときは、車用のベビーミラーを検討してください。

関連記事:【2023年】おすすめチャイルドシート&失敗しない選び方を紹介

後ろ向きから前向きへ|チャイルドシートの切り替え時期を確認するには?

「1歳になったら前向きにしてOK」と耳にしたことのある方がいるかもしれませんが、チャイルドシートの切り替え時期に、年齢による明確な制限はありません。

前向きにする時期が早すぎると、赤ちゃんに危険が及ぶ可能性があります。いくつかの要素を総合して考え、前向きにしても問題ないか判断するようにしましょう。

切り替え時期を確認する方法について解説します。

身長と体重を計測する

まず考慮するのは、身長と体重です。ベビー用身長計やスケールがない場合は、メジャーや体重計を使って計測します。

大人が赤ちゃんを抱っこして体重計に乗り、大人分の体重を引けば簡単に計測が可能です。地域の子育て支援センターや市民センターで測ってもらってもいいでしょう。

使用しているチャイルドシートの取扱説明書を用意する

続いて、現在使用しているチャイルドシートの取扱説明書を確認します。チャイルドシートの形状や設計によって、前向きにできる条件が変わってきます。

チャイルドシートの取扱説明書を紛失してしまったら、メーカーに問い合わせてみましょう。ホームページで取扱説明書をダウンロードできる場合もあります。

前向きチャイルドシートの適用条件を確認する

チャイルドシートの取扱説明書には、適用条件が記載されています。参考までに、代表的なチャイルドシートの適用条件を見てみましょう。

代表的なチャイルドシート後ろ向き前向き基準
Combi
ホワイトレーベル THE S plus
身長40~105cmまで身長76cm~105cmまで かつ
月齢15か月以上
R129
Aprica
 ISOFIX クルリラ プライト
身長40cm~105cmまで身長76cm~105cmまで かつ
月齢15か月以上
R129
エールベベ
クルットR グランス2 リシェ
身長40cm~87cmまで身長76cm~100cmまで かつ
月齢15か月以上
R129
joie
チャイルドシート バリアント
ベビーモード
新生児~体重18kgまで
(身長 ~約100cm)
チャイルドモード
体重9kg~18kgまで
(身長 約80cm~約100cm)
R44

R129適合のチャイルドシートは身長を基準にしています。どのモデルも身長76cm以上から、前向きの設置を推奨しています。生後15か月以上であることも条件のひとつです。

R44適合商品の場合、基準は体重で表示されています。R44では体重が基準を満たしている場合、生後12か月頃から前向きへの設置が可能です(ただし、2023年9月からR129に完全移行)。

チャイルドシートは子どもの成長に合わせて適切なものを使用しよう!

車に設置するチャイルドシートは「ベビーシート(乳児用)」「チャイルドシート(幼児用)」「ジュニアシート(学童用)」の3種類があります。

ベビーシート(乳児用)

参照:Aprica エアキャリー

<ベビーシートの特徴>

・対象月齢(参考):新生児~1歳頃
・体重(参考):10kg未満
・身長(参考):70cm以下
・進行方向に対し後ろ向きに設置する
・車からそのまま取り外しできるものも

1歳頃まで使える乳児用シートは、後ろ向きに設置することが義務付けられています。赤ちゃんを寝かせてハーネスを締めたら、車のシートベルトを使って固定します。

ベビーシートのデメリットは、赤ちゃんを乗せ降ろしするたびにシートを固定しなければならない点です。シートが緩まないよう、しっかり取り付ける必要があります。

チャイルドシート(幼児用)

参照:Combi ジョイトリップ アドバンス

<チャイルドシートの特徴>

・対象月齢(参考):1~4歳頃
・体重(参考):9~18kg
・身長(参考):65~100cm
・進行方向に対し前向きで設置する
・肩ベルトと腰ベルトで固定する

1歳から4歳頃まで使えるチャイルドシート(幼児用)は、基本的に前向きで設置します。新生児から幼児まで使えるチャイルドシートの場合、後ろ向きと前向きの両方に対応しています。

ベビーシートと違い、乗せ降ろしのたびに固定する必要がありません。シートベルトやISOFIXを使って車に固定すればいいので、扱いは楽だと感じるでしょう。

チャイルドシート(幼児用)は、パーツを付け替えることでジュニアシートに変更できるタイプの商品も販売されています。子供の成長に合わせて変形できると買い替えの必要がなく、非常に便利です。

ジュニアシート(学童用)

参照:cybex ソリューションT i-FIX

<ジュニアシートの特徴>

・対象年齢(参考):4~10歳
・体重(参考)15~36kg
・身長(参考):135cm以下
・進行方向について前向きに設置する
・車のシートベルトを通して固定する
・背もたれがないブースタータイプもある

子供が大きくなったら、ジュニアシートに移行します。ハーネスや肩ベルトで固定していた乳児用・幼児用シートとは異なり、車のシートベルトを通して固定します。

道路交通法により6歳未満の子どもにはチャイルドシートの使用が義務付けられているため、6歳になるまでは必ずジュニアシートに座らせるようにしましょう。

JAF(日本自動車連盟)は、車のチャイルドシートを正しく着用できるのは身長140cmを超えてからであると伝えています。140cm以下の子供がシートベルトを使用すると、正しい位置で着用できない可能性があります。

子供が正しくシートベルトを使えるまでは、6歳を過ぎてもジュニアシートを使用するのがおすすめです。チャイルドシートをいつまで使うか悩んでいる方は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事:チャイルドシートは何歳まで必要?守らなかった場合はどうなる?

後ろ向きチャイルドシートで赤ちゃんが泣く場合はどうしたらいい?

チャイルドシートを後ろ向きで乗せていると、赤ちゃんが泣きだしてしまい困った経験はありませんか。解決する方法をいくつかご紹介します。

チャイルドシートが赤ちゃんに合っているか見直す

チャイルドシートに乗せるたびに泣いてしまう場合は、寝心地が悪いのかもしれません。

肩ベルトの位置を調整したり、新生児用のインナークッションを外したりして、赤ちゃんの体に合った設定にしてあげましょう。リクライニング機能がある場合は、角度を変えるだけで機嫌がよくなる可能性があります。

乗車前に赤ちゃんの様子を確認

赤ちゃんはお腹が空いていたりおむつが濡れていたりすると、泣き出してしまいます。乗車前に母乳やミルクをあげたり、おむつをきれいにしたりと、赤ちゃんにとって不快な要素がないか確認しましょう。

空調の管理も大切です。汗をかいていたら車内の温度を下げ、手足が冷たくなっていたら暖房を利用して温めます。日差しの強い夏場は、窓にサンシェードを設置するのもおすすめです。

おもちゃを用意する

参照:うちの赤ちゃん世界一 全身を刺激 セルフメリー

1人で遊べる車用おもちゃを用意する方法もあります。後ろ向きでチャイルドシートに座っている赤ちゃんは、外の景色やママ・パパの姿が見えず退屈している可能性があります。

くるくる回るメリーやカシャカシャ音がなるおもちゃなど、好みに合わせて与えてあげてください。

ときどき声掛けをしてあげる

後ろ向きに座った赤ちゃんが泣くのは、大好きなママやパパの姿が見えなくて不安になっているのかもしれません。

同乗者がいない場合は、運転者がときどき声を掛けてあげるといいでしょう。信号待ちの間に「ママはここだよ」「もうすぐ着くからね」と話しかけるだけで、赤ちゃんの不安は和らぎます。

泣いても降ろしたり抱っこしたりしない

赤ちゃんが泣くたびに抱っこしたり、シートから降ろしたりしてしまうと「泣けば抱っこしてもらえる」と学習してしまいます。

赤ちゃんが大泣きしていると、運転しているママ・パパも不安になるもの。しかし大人が根気強く我慢することで、赤ちゃんも次第にチャイルドシートに慣れていくはずです。赤ちゃんが眠い時間に車に乗せると、すぐに寝てくれるかもしれません。

チャイルドシートの適用条件を確認して、安全なドライブをしよう

チャイルドシートを正しく使うことで、万が一事故が起きたときに衝撃から赤ちゃんを守れます。日々のお世話の大変さから「早く前向きに変更したい」と考えてしまうかもしれませんが、赤ちゃんの安全のために、適用条件は必ず守るようにしましょう。

トイザらスでは年齢に応じたチャイルドシートや、成長に合わせて変形できる商品を取り扱っていますので、ぜひチェックしてください。