安産祈願はいつ行う?戌の日やお参りの流れ、初穂料について紹介

妊娠・出産時期

  • 安産祈願

2024/03/01

つわりが落ち着いた頃、無事出産できるよう神様にお願いする「安産祈願」。古くからの慣習のひとつとあって、「いつ行けばいいのかな?」「何をすればいいのかな?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、安産祈願とは何か、当日の流れや戌の日についてなど、安産祈願の基礎知識をご紹介します。

安産祈願とは、無事の出産を願って神社などにご祈祷をしにいく風習のこと

安産祈願は、出産の無事を願って神社などでご祈祷をしてもらう習わしです。日本に古くから伝わる伝統行事のひとつで、「帯祝い」とも呼ばれます。一般的には、つわりが落ち着いて安定期に入る5ヵ月目の戌の日にお参りをします。

これまでは安産祈願に行くのは、妊婦さんと妊婦さんの親の組み合わせがスタンダードでした。かつて戌の日の儀式は、嫁いだ娘の安産を祈願して妊婦の実家が行うものだったからです。 しかし現在は、家族の形が多様化していて、安産祈願に誰と行くかはさまざまなケースがあります。妊婦さん一人の場合もあれば、夫婦だけ、両家そろってということも珍しくありません。

戌の日とは、12日ごとに訪れる日の干支のひとつ

戌の日とは、日ごとに割り振られている干支が「戌」にあたる日のことです。12年で年の干支が一周するように、日の干支は12日で一周します。つまり、戌の日は12日に1度の周期でやってくるため、月に2回から3回あるということです。

では、なぜ戌の日に安産祈願をするのでしょうか。それは、一度にたくさんの子犬を生み、しかも安産であることが多い「戌(犬)」にあやかるためです。また、戌には、狛犬のように魔除けの力があるともいわれており、妊婦さんと赤ちゃんを守る意味合いもあるようです。

<2024年 戌の日カレンダー>
1月11日(木)、23日(火)
2月4日(日)、16日(金)、28日(水)
3月11日(月)、23日(土)
4月4日(木)、16日(火)、28日(日)
5月10日(金)、22日(水)
6月3日(月)、15日(土)、27日(木)
7月9日(火)、21日(日)
8月2日(金)、14日(水)、26日(月)
9月7日(土)、19日(木)
10月1日(火)、13日(日)、25日(金)
11月6日(水)、18日(月)、30日(土)
12月12日(木)、24日(火)

安産祈願は戌の日じゃなくてもOK

安産祈願は、必ず戌の日に行くべきものというわけではありません。近年では、戌の日に予定を合わせることが難しい場合も多く、戌の日にこだわらず都合の良い日に安産祈願をする傾向があります。
縁起の良い日に安産祈願ができればいいですが、最も優先したいのは、妊婦さんの体調です。安定期に入ったとはいえ、体調は人それぞれ。万全ではない方もいます。ほかにも、仕事をしていたり、上の子がいたりする場合は、予定を合わせるのが難しいこともあります。その場合は、無理に戌の日にこだわる必要はありません。安産祈願の日取りは、妊婦さんの体調を第一に考えて、予定との兼ね合いをみて決めるといいでしょう。

古くからの伝統を破るのは縁起が悪いような気がして不安になる方もいるかもしれませんが、神社も柔軟に祈祷をしてくれることも多く、問題ありません。気になる方は、大安の日のほか、多産の子(ねずみ)、酉(とり)の日を選ぶのもひとつの方法です。また、郵送での祈祷や、代理人による祈祷を受け付けている神社やお寺もありますので、自分たちに合った方法を選択しましょう。

安産祈願の流れ

安産祈願は、水天宮や山中諏訪神社といった有名どころのほか、産土神(うぶすながみ)といわれる地域の神様で行うのが一般的です。神社によって異なりますが、安産祈願は下記の流れで行われることが多いです。

1. 受付

安産祈願をする神社やお寺に行き、社務所などで受付けをします。予約が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。車で行く場合は、併設の駐車場の有無もチェックしておくと安心です。
受付では、名前や住所などを用紙に記入し、初穂料(はつほりょう)を渡します。初穂料とは、ご祈祷をしていただく御礼として神様に支払う謝礼のことです。

2. 待機

ご祈祷の時間まで待機します。特に著名な神社やお寺で戌の日に安産祈願する場合は、ご祈祷をお願いする方が多く、混む傾向があるため、待ち時間があることを想定しておくといいでしょう。

3. ご祈祷を受ける

一定の人数が集まったら本堂に集まり、ご祈祷を受けます。神社によって所要時間は異なりますが、だいたい20~30分程です。

4. 授与品を受け取る

ご祈祷が済むと、お守り、お札、腹帯などの「授与品」を受け取り、安産祈願は終了です。なお、参拝後に腹帯を巻く儀式をする神社やお寺もあります。

5. 安産祈願後に食事をする場合も

地域や家の方針にもよりますが、安産祈願をした後は、ごく近い親族でお祝いの食事をするのが通例です。妊婦さんの実家が食事の用意をする場合もあれば、ホテルなどで食事会をすることもあります。まえもって、両家に相談しておくことをおすすめします。
なお、戌の日は神社周辺のレストランや料亭は混み合います。食事をする場所の目星がついたら、混雑する時間帯を確認したり、予約をしたりして、安産祈願からスムーズに移動できるようにしましょう。

安産祈願の持ち物

安産祈願に必要な持ち物は、初穂料と腹帯です。ただし、腹帯は、神社によって授与品として含まれている場合もあるため、事前に神社のウェブサイトなどで確認してみてください。また、妊娠中は急に体調が変化することも考えられるため、念のため母子手帳や保険証は持っていきましょう。
そのほか、授与品がある場合は持ち帰るときのために大きめの手提げ袋があると便利です。

初穂料の相場

初穂料の相場は、神社やお寺、あるいは地域によって違いがありますが、一般的には5,000円から1万円程度。授与品がある場合は1万円と覚えておくと良さそうです。
お札は、できれば新札、難しければなるべくきれいなお札を事前に準備しておき、紅白蝶結びの水引のかかったのし袋や白い封筒に包むのが好ましいです。持参する際は、のし袋をふくさに入れれば、より丁寧な印象になります。

安産祈願の好ましい服装

安産祈願の服装は、特に決まりはありません。とはいえ、あくまでもお参りなので、カジュアルすぎる服装や露出の多い服装は避け、落ち着いた服装が望ましいでしょう。

妊婦さんは待ち時間やご祈祷中に苦しくならないよう、おなかを締め付けないワンピースなどの楽な服装がおすすめ。男性はスーツが一般的です。いっしょに連れて行く上の子の服装も、よそ行きの格好を選んでおくとベターです。また、夏であれば冷房対策として羽織るもの、冬であれば防寒具などを準備しておくと安心です。

さらし布の腹帯を巻く際のポイント

腹帯とは、妊婦さんがおなかに巻く、帯状のさらしのこと。安産祈願の腹帯は「岩田帯」とも呼ばれ、「岩のように丈夫な赤ちゃんが生まれますように」という願いが込められています。腹帯は、前に突き出してきたおなかを支え、冷えを防ぐ役割があります。
ここでは、伝統的なさらし布の腹帯の巻き方をご紹介しましょう。

<さらし布の腹帯の巻き方>

1. さらしの折り目を広げ、縦に2つ折りにして巻いておきます。

2. 2つ折りにした輪の部分を下にして下腹部にあて、下から持ち上げるようにして巻き始めます。

3. 1周しておなかの前にきたら、腹帯を1度ねじります。

4. 締め付けないよう注意しながら、おなかを支えるように数周巻きます。

5. 巻き終わったら、布の端を三角に折り、帯の上に挟み込んで留めます。

安産祈願は「お参り」だけでもいい?

安産祈願では、必ずご祈祷を受ける必要はありません。特に戌の日は待ち時間がかなり長引くこともあり、体調が不安定だったり、まだ小さい上の子がいたりする妊婦さんは負担が大きくなります。安産祈願に行って体調を崩しては元も子もありません。体調を考慮した結果、安産祈願としてお参りだけ行くケースもあります。お参りだけなら、予約は不要。初穂料を用意する必要もありません。

また、急に体調が悪くなったり、上の子の世話や仕事の都合があったりして、時間が取れない場合は無理をする必要はありません。場合によっては予約をキャンセルするなど、「安産祈願に行かない」という選択をすることもあります。

出産後、安産祈願の腹帯やお礼はどうする?

無事に出産したら、安産祈願をした神社へ無事に赤ちゃんが生まれたことを報告しに行きましょう。ここでは、役目を果たした腹帯の使い方や、お礼参りについてご紹介します。

腹帯は赤ちゃんのお世話グッズにリメイクする

赤ちゃんが生まれたら、腹帯はどのように扱うのがいいのでしょうか。かつては、役目を終えた腹帯は、布おむつにリメイクして赤ちゃんのお世話に使ってから神社に返納していました。紙おむつが主流の近年では、スタイや肌着、沐浴布としてリメイクする方が増えています。腹帯の白いさらし布は、吸水性が高く洗濯にも強いので、赤ちゃんのお世話グッズとしても最適です。

産後1年以内にお礼参りをする

無事に出産した後は、安産祈願をした神社やお寺へのお礼参りを忘れずに。お礼参りは、神社仏閣に願掛けをし、願いが成就した際に再び参拝して感謝を伝えることです。このとき、安産祈願で受け取ったお守りや腹帯も返納します。

お礼参りの時期に明確な決まりはありませんが、産後1年以内に行うと良いとされています。

妊婦さんのタイミングで、心を込めて安産祈願をしよう

安産祈願は、妊娠5ヵ月目の戌の日に行うのが伝統的な風習ではありますが、近年は妊婦さんの体調と都合に合わせて柔軟に行うようになってきました。
そもそも安産祈願は、妊婦さんと赤ちゃんが健康で、無事に出産を迎えられるように祈るものです。妊婦さんの体調が安定しているときに、心を込めて安産祈願をしましょう。

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