妊娠・出産時期
2024/04/22
出産に向けた準備というと、かわいいおくるみやベビー服、ベビーカーなどに目が行きがち。ですが、出産が早まって慌てないよう、ママの入院準備も早めにしておくことが大切です。
ここでは、入院に必要なものや準備する時期についてご紹介しましょう。
目次
出産の入院時を「受診、および入院手続き」「お産」「入院中」「退院時」に分けて、それぞれのシーンで必要となる持ち物をご紹介します。
まずは、いよいよ出産というタイミングで受診するときや入院手続きに必要なアイテムをご紹介します。突然の破水などの場合であっても、さっと用意できるようにバッグひとつにまとめて準備しておくと安心です。
・母子手帳
これまでのママの健康状態や妊娠中の経過を記録してきた母子手帳。入院後は、出産日時、分娩方法、出産の状態、出血量、産後の経過、赤ちゃんの身長や体重などを記録します。
・健康保険証
原則、正常分娩の場合は、出産費用に健康保険は使えません。しかし、帝王切開などの処置を行った場合は、健康保険適用となります。
・診察券
受診・入院手続きをする際は、受診している病院や産院の診察券を持って行きます。
・現金
タクシーなどを使用する場合もあるため、多少の現金を用意しておくと安心です。また、病院の自販機なども、現金があれば利用することができるでしょう。
・はんこ
出生届に捺印するために、はんこを用意します。
・筆記用具
筆記用具は、書類の記入時に必要なため持っていきます。助産師さんや看護師さんに教わったことや赤ちゃんの記録などを書きとめることもあるので、一本あると便利です。
・スマートフォン
家族への連絡用にスマートフォンを持って行きましょう。充電器も忘れずに。
・必要書類
出産一時金を受け取るための申請書類などは、病院・産院に記入してもらう必要があるため、まえもって準備しておくとスムーズです。
・ハンカチ、ティッシュ、消毒ジェル、マスク
特にコロナ禍では、これまで以上に感染症対策が求められるため、清潔な状態を維持するアイテムは必須。マスクも何枚か持って行きましょう。
続いては、いざお産が始まったときにあると便利なアイテムをご紹介します。陣痛のいきみ逃しや、喉の渇きを癒せるものがあるといいでしょう。入院に必要なものを入れるバッグに、いっしょに入れておいてください。
・ペットボトル飲料とストロー付きキャップ
分娩までのあいだは、陣痛に耐える時間が続くため、喉が渇いたときにさっと水分補給できるよう、ペットボトル飲料などを用意します。このとき、ペットボトル用のストロー付きキャップを併せて準備しておくと、寝たまま水分補給ができて便利です。
また、お産が始まると、食事をする余裕はありません。小腹を満たすゼリー飲料などを用意しておくのもいいでしょう。
・陣痛対策グッズ
陣痛対策グッズとして、テニスボールやカイロ、うちわやポータブルタイプのミニ扇風機などを用意しておくのもおすすめです。
テニスボールは、お尻付近に圧をかけるといきみ逃しになるため、よく使用されます。カイロも腰を温めることでいきみ逃しになるとして、用意する方もいます。また、陣痛中は暑さを感じて汗をかくことが多いので、うちわで家族にあおいでもらったり、ポータブルミニ扇風機を使ったりすると気持ちがやわらぎます。
・時計
秒針付きの時計があると、陣痛間隔を測ったり、出産時の呼吸法を実践したりする際に手元でタイミングを計れます。
次に、出産の入院生活で必要最低限なアイテムをご紹介します。ただし、病院や産院側でお産セットとしていくつか用意されていることもあります。病院や産院から配布された持ち物リストを確認した上で準備すると、無駄がありません。
急な入院に備えて、一人で持てる量をリュックなどに詰めて用意しておきましょう。
・マタニティパジャマ
パジャマは、授乳しやすいタイプのものや丈が長めのものを用意します。
・産褥ショーツ・産褥パッド・生理用ナプキン
出産後は悪露(おろ)と呼ばれる胎盤などが混ざった出血があるため、悪露対策として産褥(さんじょく)ショーツが必要です。枚数は3枚程あると安心です。産褥パッド(悪露ライナー)や生理用ナプキンと併せて準備します。
・授乳ブラ・授乳パッド
授乳ブラは、開閉できる授乳専用の締め付けがないタイプがおすすめ。母乳の漏れを抑える母乳パッドも併せて用意しておきます。
・マタニティクリーム・乳頭ケアクリーム
妊娠線のケアのためのマタニティクリームや、乳頭のトラブル防止のための乳頭ケアクリームを持って行きましょう。
・産褥ニッパーや骨盤ベルト
骨盤を安定させる産褥ニッパーや骨盤ベルトは、産後すぐから使うのがおすすめです。腹帯で代用する方もいます。
・ガーゼのハンカチ
ガーゼのハンカチは、赤ちゃんの授乳時や沐浴時に使います。一度洗って、水通ししたものを持参します。
・清浄綿
清浄綿は清潔に拭き取るためのコットンです。たっぷり水分を含んでいるため、赤ちゃんの汚れた口元やお尻拭き、ママの乳頭、乳房のケアなど、さまざまな用途に使えます。
・入浴・洗面用具、基礎化粧品
入浴や洗顔、歯磨きなどに必要なものはまとめておきます。鏡やリップクリーム、ヘアゴムなども用意しておくといいでしょう。退院時に備えてメイクアイテムも忘れずに。
・タオル類
ハンドタオルやフェイスタオル、赤ちゃんにも使えるバスタオルを用意します。
・はおるものやブランケット
冷暖房対策に、はおるものやブランケットを持って行きましょう。カーディガンはかさばりにくく、脱ぎ着しやすいので便利です。足が冷える方は、長い靴下やレッグウォーマーも念のため準備を。
・スリッパ
赤ちゃんを抱っこしていても脱ぎ履きしやすく、水に強いタイプのスリッパを用意することをおすすめします。シャワーやトイレ、万が一の破水のことを考えると、濡れても中に染みてこない素材が好ましいです。
・ティッシュペーパー
ティッシュペーパーは、何かと使う必須アイテム。箱タイプのまま持ち込む方も多いです。ウェットティッシュもあるとより便利に使えます。
・ビニール袋
ごみや洗濯ものを入れられるよう、ビニール袋は大小数枚ずつあると◎
・ミニバッグ
ミニバッグは部屋を離れて、貴重品を持つときに使用します。診察や授乳、売店に行くときなどにあると便利です。
・メガネやコンタクト
意外と忘れがちなのが、メガネやコンタクトです。視力が低い方は、あらかじめ予備の分をバッグに入れておくと安心です。
産後入院中にあると便利なものは、後日、必要に応じて家族に持ってきてもらうことも可能です。快適な入院生活のためにあるといいものをご紹介します。
・授乳クッション
授乳のときに赤ちゃんの体を支える授乳クッション。病院や産院で用意がある場合も多いです。かさばるので確認してから用意することをおすすめします。
・カップ・箸やスプーン
カップは、ティーバッグを持ち込んでお茶を飲みたいときに用意しておくといいでしょう。割れにくい素材だと安心です。また、箸やスプーンは病院や産院で用意されることが多いですが、差し入れなどを食べるときにあると便利です。
・イヤホン
入院中に音楽を聞いたり、テレビを見たりする場合はイヤホンを用意します。
・爪切り
赤ちゃんのお世話の前に、爪のお手入れが気になる方は爪切りを持って行きましょう。
・ハンガー
洗濯できる病院・産院では、ピンチ付きハンガーがあると便利です。
・赤ちゃん用のスキンケア用品・爪切り
赤ちゃん用のスキンケア用品・爪切りは必須ではないですが、使いたい場合は準備をしておきましょう。
・乳頭保護器
乳頭保護器は、状況に応じて必要になります。産院で買える場合もあります。
・雑誌や本
自分の睡眠時間が足りていて、時間が取れるようなら雑誌や本を用意しましょう。
最後に、退院時に必要なものをご紹介します。
・ベビーウェア一式
退院時のベビーウェアは、初めての外出着です。肌着とセレモニードレスやカバーオール、ツーウェイオールを用意します。
・おくるみ
おくるみは体温調節にも役立つので、赤ちゃんをすっぽり包める大判のものを用意します。
・おむつ、おしりふき
病院・産院から自宅までの移動ではありますが、万が一に備えて、新生児用紙おむつ2、3枚とおしりふきも用意しましょう。
・ママの退院時の服一式
産後すぐはママの体型は戻る前なので、ゆったりした服を用意しておきます。
・抱っこ紐やチャイルドシート、ベビーカー
帰宅方法に合わせて、抱っこ紐やチャイルドシート、ベビーカーを用意します。新生児から使用可能なものを準備し、使い方を一度確認しておくと安心です。
・分娩・入院費用
分娩・入院費用は退院時に精算する病院・産院がほとんどです。クレジットカードが使用できるかどうかは事前に確認が必要です。現金を用意する場合は、念のため少し多めに持って行きましょう。
病院や産院に入院するタイミングは、出産予定日前後に陣痛の間隔が短くなった、破水したといったタイミングが一般的ですが、切迫早産など、急な体調変化で入院が早まることもあります。入院準備はなるべく早めに、最低でも出産予定日の1ヵ月前には準備しておくと安心です。
また、準備した荷物は、家族に持ってきてもらう場合もあります。準備した荷物の内容と置き場所は事前に家族に共有しておくことをおすすめします。 ただし、ぎりぎりまで仕事をしていてなかなか買い物に行けなかったり、自宅で安静にするよう指示を受けていたりして準備が進まない場合もあります。くれぐれも無理はせず、自分と赤ちゃんの健康を第一に考えて、ネット通販を活用したり、周囲の協力を仰いだりしましょう。
最近では、「陣痛バッグ」と「出産バッグ」を分けて用意する方もいます。
陣痛バッグとは、本記事の冒頭で紹介した、受診時、および入院手続きに必要なものと入院するのに必要最低限のものだけをいれたバッグです。いつ入院してもいいように覚悟はしていても、「陣痛が来た」「破水した」となると焦るもの。周囲に家族がおらず、一人のときはなおさらです。「陣痛バッグだけ持って行けばとりあえず入院はできる」状態にしておくと安心です。
出産バッグは、入院期間中、および退院時に必要になるもの一式を入れたバッグです。受診してすぐに必要になるわけではないので、家族に持ってきてもらうようにすると、身軽に入院できます。
ただし、コロナ禍で荷物の受け渡しに制限を設けている病院や産院もありますので、事前に確認が必要です。
産前は何かと気持ちが不安定になりがち。事前に荷物をまとめて出産準備をするだけでも、少しは安心感が得られます。
ただし、体調が優れなかったり時間が取れなかったりして準備が思うように進まない場合は、無理をする必要はありません。一人で抱え込まずに家族にも声をかけて協力してもらいながら、計画的に出産準備を始めましょう。